インフルエンザの粉末剤イナビルは鼻からでなく口から

 イナビル吸入粉末剤は、インフルエンザの特効薬として使われている最新の薬のひとつです。薬は鼻からではなく、口から吸入します。インフルエンザの症状が現れてから、48時間後から72時間後までに服用すると、インフルエンザウィルスの増殖を阻害できます。服用は一度で済むため、飲み忘れもなく、患者の負担が極めて少ないのが特長です。
 感染後の治療に使うこともできますが、感染予防にも使えます。感染者と接触してから2日以内に、1日1回、2日間で計2回、イナビルを吸入します。これで感染が予防できます。受診する側としては注射よりもずっと楽で、負担が少なくて済みます。しかも、予防接種に比べて即効性があります。予防接種は、抗体を時間をかけてつくっていくことで感染を防いだり、感染後の症状悪化を食い止めたりします。イナビルは、ウィルスが増殖するのに必要な、ウィルス表面の構造物が機能できなくします。
 インフルエンザウィルスを駆除するのは、抗体の役割です。イナビルはインフルエンザウィルスを死滅させることはできないまでも、増えるのを防ぎます。ウィルスの数が少ないままなら、重篤な症状に至る可能性も低くなり、それほど高熱を出す必要もなくなるでしょう。免疫に負担もかからなくなります。増殖するウィルスを駆除するために、体温を上げ、免疫細胞をフル稼働させるわけですから。
 副作用は1割程度の人に現れます。下痢が多く、重篤な症状になることは稀ですが、未成年の場合は異常行動が出ることもありますので、服用後は大人が見守ることが大事です。無理して熱を下げる解熱剤と違い、ウィルスの増殖を抑えることで治療するわけですから、感染初期なら、吸入する価値はあるでしょう。

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